内窓(二重窓)を取り付けたけど、効果が薄い…製品ではなく取付に問題がある場合が…内窓(二重窓)の失敗例
冬の寒さや、結露を軽減させるために内窓(二重窓)を取付たけどいまいち効果が薄い…という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
TOP画像はLIXILのインプラスが付いてる様子になりますが問題なく付いているように見えます。
(細かい部分は見えないのでわかりづらいですが…)
今回はこれから内窓(二重窓)の設置をご検討の方には非常に重要な内容となりますので、一度ご覧いただけたらと思います。
窓の匠で取付した内窓(二重窓)と効果が違う
ことの経緯は、あるお客様より内窓(二重窓)の工事の依頼があり設置させていただきました。
腰高窓1か所の取付でしたが、ご自宅の他の窓はすでに他の業者さんで設置済みでしたので残った窓1箇所を窓の匠で設置させていただきました。
他の全ての窓がLIXILのインプラスという事で同じインプラスでの取付でした。
設置後数日経った時にお客様よりご連絡をいただき、「窓の匠で取付した窓と他の業者さんで取付た窓の結露の出方が違う」というご連絡でした。
工事した時は他の窓に設置されたインプラスは見ておりませんでしたが、この連絡をいただいた時にはどういった取り付けがされているかはすぐに想像できました。
お客様も窓の匠で取り付ける前までは、他の業者さんの取り付けには特に違和感はありませんでしたが、窓の匠で取り付けたインプラスで閉めた時の感じや結露の効果に違いを感じ、見比べて初めて他の業者さんの取付に違和感を感じたとの事でした。
そこで、他の業者さんで取付けたインプラスを見てほしいとご連絡いただきお伺い致しました。
今回の様な例は非常に多く、「インプラスの効果はこんなものか」とインプラスの性能だと思っている方も多いと思いますが、実は取付に問題がある場合もあります。
実際、様々な場所で内窓(二重窓)を見ても「この取付でも一般の方には気付かないだ」と思ってしまう事が多いからです。
しかし、気づかないのはしょうがない事で私自身、例えばお医者さんに行った時に「風邪です」と言われれば信じますが実は違う病気の可能性もあります。知らない分野の事はわからないのが当然です。
今回の事例もセカンドオピニオンの様なもので弊社は施工に最も力を入れておりますので実際の状況を見なくても原因は想像出来ました。
一般的には一度依頼した業者さんに再度取付を依頼する事が多いと思いますし、他のお家との効果の差を比べるのも難しいので、さらに気付かない事が多いのではないでしょうか。
内窓(二重窓)の取付に多い悪い事例
実際にどの部分で効果が落ちるかご紹介致します。
内窓(二重窓)の縦枠が短い
内窓(二重窓)の下枠と縦枠の様子になります。
掃き出し窓(床まである窓)なのですが、縦枠が短いのがわかりますでしょうか。
枠の歪みや使っているスケール(メジャー)、メーカー製作時の切断公差などで1,2㎜は短くなったり長くなったりしますが、この写真は明らかに短いです。(1.2㎜の隙間ができてしまう場合はコーキングなどで埋めます)
内窓(二重窓)は受注生産となりますので、人為的なものかと思います。
一度枠を外して見ると、ビスを打ち直した跡が分かります。
これは、恐らく枠の上が空いてしまうと目立ちやすいので、見えにくい下に隙間を作るため取付し直しているのだと思います。
枠が短いだけならまだしも、窓が小さいという設定でオーダーしていますので、障子(ガラス)も小さくなってしまいます。
障子が小さいと気密材(ゴム)が当たらず、隙間が多くなります。
気密材(ゴム)が当たってないという問題だけではなく、些細な事で障子が外れやすくなります。
現に奥の障子(鍵の受けの方)は外れてしまっていました。
これでは、地震などで外れた際に部屋の内側にガラスが倒れてくる危険性があります。
内窓(二重窓)の横枠が短い
縦枠だけではなく、横枠も短かい状態でした。
写真は、下枠と縦枠を上から撮った様子になります。
インプラスの場合、白い部分のスポンジ(気密材)が横枠を入れる事でつぶれる様になりますが、スポンジ(気密材)に辛うじて触れている状態で、さらに縦枠も短いので床が見えてしまっています。
横枠が短いと縦の時と同様、障子(ガラス)の横幅も小さくなります。
障子の横幅が小さくなると、真ん中の部分(召し合わせ)のゴムを通り越してずれてしまうため、隙間ができてしまいます。
インプラスを正常な状態に修正
これらの問題を直すために、一度全て外して調整材を使って再取付しました。
赤い矢印の先に見える筋が樹脂製の調整材となります。
窓枠(額縁)の歪みが酷い場合などに使ったりするものなので、もしご自宅に使われていても必ずしも「家の内窓(二重窓)も小さく作られてしまっている」という訳ではありませんのでご安心ください。
※使わなければならない状況もありますし、むしろ調整材が使われている方が気密を考えて取付されているかもしれません。
調整材の裏と枠の裏には少しでも隙間ができないようコーキングを流して取付しております。
左右上下に調整材を入れて正規の状態となりました。
写真は上の状況となりますが、障子が枠にしっかりかかっていて、気密材(ゴム)にもしっかり当たっています。
真ん中(召し合わせ)も気密材(ゴム)がしっかり当たっているのがわかるかと思います。
インプラスの手直し後にお客様よりご報告
内窓(二重窓)の場合特に結露や防音は部屋によっても効果が変わる場合があります。
最初に窓の匠で取付けた腰高窓は別のお部屋だったため、たまたま効果が出た可能性もあり今回手直しさせていただいた場所の結果が気になりました。
変化があったらご連絡をお願いしており、実際にご連絡をいただきました。
ご報告内容は…
内窓を調整した箇所は全く結露が出ていない状況で明らかに効果が出ているとの事でした。
内窓(二重窓)の種類によってはしっかり取付ができていても結露は出る場合もありますので、手直し後に変化で出て非常に嬉しく思いました。
まとめ
内窓(二重窓)は実際の窓より大きくなってしまうとリカバリーが難しく、使うガラスによっては取付できず発注し直しのため大きな損害となってしまいます。
小さい分にはリカバリーしやすいため、小さめに発注する業者さんは多いです。
会社の事を考えれば正しいかもしれませんが、プロとしては間違っているような気がします。
内窓(二重窓)は、最近ではDIYでもできますとインターネットでも売られていますが、取付や調整は簡単なようで重要な点です。
内窓(二重窓)が無くても普通に生活できます。そこにお金をかけるのであればしっかり性能が発揮できるよう、また長く使えるよう施工という部分は大切にお考えいただいた方が良いのではないでしょうか。
というのが弊社の考えですので、最も金額の安い業者さんをお探しの方はご希望に添えないかもしれませんが、しっかりとしたお取り付けをご希望の方は満足していただけるかと思います。(金額を高く設定しているというわけではございません)
また、今回の事例の様に、現在効果が薄いと感じている場合手直しをすれば必ず改善するという訳ではございませんのでご注意ください。
実際にしっかり取付されていても効果が薄いという事もあります。
何か気になる事などありましたらお気軽にご相談ください。
最後までお読みいただきありがとうございます。