真空ガラススペーシア
世界初の実用化“真空ガラススペーシア”
真空ガラスへの考えは1913年と古くからあったのですが、なかなか制作技術が追い付かず実現しませんでした。
年月が経ったその後にシドニー大学のリチャード・コリンズ教授が研究に着手したことで真空ガラスの実現が近づきました。熱の流れの仕組みから真空安定性、大気圧や温度差から発生する応力まで様々な研究が進みついには真空ガラスの制作に成功しました。
さらにその後に、日本板硝子がシドニー大学と提携することで真空ガラス「スペーシア」が誕生しました。
その年1997年。現在あるガラスの中では、最も断熱性能が高いガラスです。
特殊な技術を使っているガラスでオーダーメイドなのでお値段は少々張りますが、様々あるガラスの中では間違いない性能があります。
スペーシアガラスは、空気層が非常に薄いので年代問わずほとんどのサッシで交換が可能です。また、10年間の保証がついていますし、真空が維持されているかどうかも目で見てわかるようになっている点も安心できます。結露、断熱で「ガラス交換」を希望する方には、今あるガラスの中では一番おすすめできる商品です。
スペーシアに交換されたお客様の声
昨年12月に窓ガラスをスペーシアに取り替えて頂き有難うございました。
お正月から雪も降り、何度か雨も降りました。
家ではガスストーブ1台(14畳のリビング)ですので水滴がどの様に出るか1ヵ月様子を見ておりましたので結果のお知らせを致します。
昨冬なで布がびっしょりになったり、100金で買ったビニールの水取を使用したり苦労していました。
今日1月30日も朝から雪となりましたが一度も窓拭きもせずに、ただ窓枠は元のままなので気が付いた時にティッシュペーパーで拭く程度です。
家は道路に面した東南の角地ですのでスペーシアに入れ替えたお蔭で外の様子が分かり大変満足しています。
窓の重さも気になりません。
工事の時に既存の雨戸まで修理して頂き有難うございました。今まで26年間、私には重くて鍵が掛けれませんでしたのにスムーズにできる様になりました。
報告が遅くなり申し訳ありません。(1ヵ月は様子をみてからと思いましたので)
スペーシアの構造と特徴
ガラス1枚の厚さで約4倍の断熱性能!
真空ガラス「スペーシア」は、2枚のガラスを使い、ガラスの間に0.2ミリの真空層とLOW-E膜(特殊金属膜)を挟むことで高い断熱性能を生んでいます。
通常ペアガラスの場合、2枚のガラスの間が狭いと断熱性能が落ちますが、スペーシアは0.2ミリと極薄でも高い断熱性能です。真空層とLOW−E(特殊金属膜)の2つの効果で、熱貫流率が一気に向上。フロート板ガラス(単板ガラス)の約4倍、一般複層ガラス(ペアマルチ)の2倍もの断熱性能があります。
真空テクノロジーの構造
熱の伝わり方には、物体を通して熱が伝わる「熱伝導」、流体によって熱の移動がおこる「対流」、物体から発生する熱エネルギーが他も物体へと移動する「放射(輻射)」という3種類があります。通常は断熱性能を上げるためには、この3つについてそれぞれの視点から考える必要があります。
しかし、ガラスを2枚にしてその間に真空状態を作れば、これら全ての熱に対して遮断する効果があります。
真空とは宇宙と同じで水も空気もない空間のため、熱伝導や対流が起きにくいのです。
身近にあるものとしては、ステンレス製の魔法瓶が同じ仕組みになっています。
実は、長い間真空ガラスのアイデアはあったのに実現することができませんでした。それは、当時のガラスがとても弱く真空にする際の圧力に耐えられなかったからです。現在では、一枚のガラス自体が昔に比べ強度が高くなったので制作可能となりました。
そして、真空にした際、大気圧により2枚のガラスが接触するのを防ぐためにマイクロスペーサーが入れられました。
スペーシアの効果
下の数値は熱貫流率(W/m2K)で、この数値が小さいほど熱を逃しにくく、暖房の効きやすい、冬暖かい室内環境をつくるガラスといえます。
※一般複層ガラス:ペアマルチ(クリア)/フロート板ガラス3ミリ+中空層6ミリ+フロート板ガラス3ミリ
※一枚ガラス:フロート板ガラス
結露が発生する外気温度比較
左の表は、ガラス自体の性能をあらわした表です。結露が発生する温度が記載されています。
実際には窓ガラスだけの問題ではなく、室内外の環境にも大きく左右されるので、使用条件によっても結露が発生する場合はございます。
また、スペーシアにすることでガラス部分の結露は軽減できますが、サッシ部分は変わらないためサッシ部分の結露は防ぐことができません。
スペーシアは、マイクロスペーサーがガラス面について圧着しているので、複層ガラス(ペアガラス)に起こる共鳴現象がありません。
そのため6.2ミリの厚さでも8ミリの一枚ガラスや18ミリの複層ガラス(ペアガラス)と同じ遮音性能があります。
スペーシアは取り替え簡単
今使用しているサッシのガラスが一枚ガラス(単板ガラス)の場合、複層のガラス(ペアガラス)に入れ替えしようとするとアタッチメントが必要でした(右図)。しかし、スペーシアは0.2ミリというわずかな真空層のおかげで総厚6.2ミリと薄く、アタッチメントが必要ありません。
しかも、取替えが簡単で短時間で作業できます。
※使用サッシや窓の種類によっては、スペーシアへの交換ができない場合もございます。また、ガラスの厚さが増すのでサッシの開閉が重くなる場合がございます。
施工事例のご紹介
STEP01
奈川県愛甲郡愛川町でコーナー窓のスペーシアへの交換です。結露軽減目的での交換です。
コーナー窓は、角という事で湿気が留まり易かったり、風もあたりやすい影響もあり通常の窓に比べて結露がでやすいです。景観を良くするための窓が、結露で外が見えなければ残念です。
STEP02
まず初めにガラスを外します。
通常、コーナー窓はアタッチメントで固定されており、今回も外からのアタッチメントでの固定でしたので、アタッチメントを外しガラスを外していきます。
写真は、わかりづらいですが手前のガラスを外した状態です。
STEP03
ガラスを外せたら、逆の要領でスペーシアをはめ込みます。
この日は、雨でしたのでスペーシアが結露しているようになってしまっています。
STEP04
通常の一枚ガラスであれば、コーナーの突き合わせの部分は透明のコーキングのみとなりますが、 スペーシアの場合は、補強材を入れないとガラスの反りなどに対応できないため、あらかじめ用意したアルミの部材を入れて収めます。
STEP05
バックアップ材(ガラスとアルミサッシの間の隙間に入れるスポンジ材)を入れてガラスを動かないように仮止めできたら、マスキングでガラスとサッシの周りを囲い、コーキングを打って完成です。
施工後にお客様からのご感想をいただき、結露がなくなったと満足していただけました。
実際に効果を感じていただけて安心しました。