うちには関係ない、と思っていませんか?
テレビなどで「空き巣」「防犯」の特集を組まれていることがよくありますね。
でも実際に被害に遭ったことがなければ、どこか他人事のように感じてしまいます。
私も窓の仕事を始めるまではそう思っていました。
しかし、お客様とお話をしていると、空き巣被害にあった方のなんと多いこと。
メディアで頻繁に取り上げられるのも頷けます。
熱(断熱)や音(防音)同様、窓はドロボーも出入りしやすい場所となっているのです。
「うちには関係ないわ」と何も対策をされていない方のお家ほど、空き巣にとっては好都合。
次に狙われるのはあなたのお家かもしれません。
このページを読んで窓は防犯にも重要だという事を知っていただければと思います。
窓は空き巣の玄関
それでは、まず最近の侵入窃盗の状況からご説明します。
平成24年度の都内では、約8000件の被害が確認されています。
都内の件数だけみると、平成20年の約1100件から徐々に減ってはいるものの年間にこれだけの被害が出ています。
また、最近では田舎でも被害が目立つようになっています。
私の祖母も田舎に住んでいて、30年以上家に鍵を掛けているところを見たことなかったのですが、最近は少し家をあける時でも鍵を掛けているそうです。
近所で空き巣被害が増えたからです。
侵入の手口を手口別で見てみると…
- 空き巣・・・家人等が不在の住宅の屋内に侵入し金品を盗むこと
- 出店荒し・・・閉店中の店舗に侵入し金品を盗むこと
- 事務所荒し・・・会社、組合等の事務所に侵入し、金品を盗むこと
- 忍込み・・・夜間家人等の就寝時に住宅に侵入し金品を盗むこと
- 居空き・・・家人等が在宅し、昼寝、食事等をしているすきに住宅に侵入し、金品を盗むこと
- 金庫破り・・・事務所等に侵入し、金庫(手提げ金庫を除く)を破って金品を盗むこと
- 学校荒し・・・学校等の建物に侵入し、金品を盗むこと
- 病院荒し・・・病院、診療所等の建物に侵入し、金品を盗むこと
犯人は金品を盗むことが目的ですので、忍込みや居空きという手口よりも留守を狙うほうが都合がいい、だから空き巣が多いのですね。
それでは、どんな建物が狙われ、どこから侵入されることが多いのでしょうか?
※「その他の住宅」~「一戸建て住宅」「中高層住宅(4階建て以上)」以外の住宅で、3階建て以上の共同住宅、テラスハウス等
侵入窃盗の場所別では、一般の住宅が全体の59.0%を占めています。
事務所や店舗などの施設よりも断然多いのです。
理由は多々あると思いますが、例えばオフィスや商業施設では警備会社を入れるなど防犯にしっかり費用をかけて対策しているケースが多いため、犯人にとっては「入りにくい」建物と考えられます。
また、空き巣の侵入口としては、窓からというのが圧倒的です。
つまり、窓の防犯をしっかり対策していればドロボーに「危機管理ができている家」をアピールでき、敬遠されやすくなると言えるのです。
おすすめの防犯対策
それでは、どのような防犯対策が有効なのでしょうか。
窓の匠がおすすめするのは、
- 窓ガラス自体の交換
- 面格子や雨戸の設置
です。
その1
窓ガラス自体の交換
犯人を侵入させないために、割れないガラスがあったら安心ですね。
しかし今現在、住宅用の窓ガラスとして絶対に割れないというもの存在しません。
どんな強化ガラスでも尖ったもので叩けば割れますし、実は防犯ガラスでもハンマー等で叩けば割れてしまいます。
では、どうやって防犯効果を生み出すかというと、重要なのは割れないことではなく「窓を破壊するのに時間がかかること」「窓を破壊するときに大きな音が発生して目立つこと」なのです。
このような機能があることで、素早くこっそり窃盗をしようと考えている犯人に侵入を諦めさせる効果があります。
たとえば、1枚のガラスではなくペアガラスで間に特殊な膜やフィルムが入っている窓ガラスなどは、たとえ割れても貫通・開孔に時間がかかるのです。
みなさんの中には、網の入ったガラスが防犯になっていると思っている方も多いかもしれません。
しかし、残念ながら網入りのガラスは、火災時のガラスの飛散防止を目的とした防火ガラスなので、防犯性能はまったくありません。
それどころか実際にガラスを割ってみると、網(針金)が異物の役割をしてガラスの強度を下げてしまい、通常の1枚ガラス(単板ガラス)より割りやすい感覚があります。その網自体も簡単に切る事ができるので、すぐに窓を開ける事が可能です。
また、網が入っている分、飛散しないため1枚ガラス(単板ガラス)に比べ割れた時の音が出にくいのです。そのためドロボーにとっては網入りのガラスこそ狙い目です。ご自宅の窓も一度確認してみましょう。
その2
面格子や雨戸の設置
こちらは、非常にわかりやすいと思うのですが、窓の他にもう一つ突破しなければいけない設備があることで、物理的にも視覚的にも侵入を抑制させる効果が期待できます。
ただし、外に付ける場合には注意もあります。
それは写真のようなタイプ(少し前の建物であれば多いタイプです)の面格子の場合、壊す気になれば、意外に簡単に外せてしまうという点です。
この写真とは別のお客様ですが、実際に写真のように下部を外して窓から侵入され金品を盗まれたという方もいらっしゃいました。
厄介だったのは、犯人が立ち去る際に面格子を元に戻してあったため(外れていても一見わからない)、空き巣に入られた事に気がつかずに、通報するのに時間がかかったそうです。(警察に侵入口を教えてもらうまで気づかなかったそうです。)時間がかかればドロボーも遠くに逃げられるので、捕まりにくくなります。
このお客様は、「面格子がついているから平気」といった安心感から窓の鍵はかけていなかったそうです。
このように面格子や雨戸でも簡単に外せるタイプもあるので、外しにくいタイプに変えるというのも防犯対策となります。
面格子を固定したビスをそのままにしておくと、ドロボーが簡単に外せてしまいます。
しっかりビスの+部分を潰して、ビスが回らなくする事が大切です。
もし、面格子が付いている場所でビスがそのままでしたらしっかり穴を潰しておきましょう。
まだ防犯対策をされていない方にはまず上記2点をおすすめしております。
それでもまだ心配、という方には窓のクレセント(鍵)を変えるなどさらに安心するためのご提案もしておりますので、お気軽にご相談ください。
長期間家を空ける際には、さらに安心できますね。
施工事例のご紹介
STEP01
三鷹市で防犯のために面格子を取付けました。面格子を取付ける前の写真です。
縦すべり出し窓(開き窓)になります。
STEP02
まずは面格子を壁にとめるための金具を取付けます。決まった位置で、ビスを締め座金と挟み込むように固定します。位置を決めたら他の箇所もしっかりと位置を合わせます。
STEP03
次に、さっそく面格子を壁に固定していきます。写真のように、ミリ単位で合わせて、均等の位置でビスを使用して固定します。
STEP04
面格子をビスで固定したら、ビスの穴を潰して+の形をなくします。
弊社では、さらに念入りにコーキングで穴を埋めておきます。
そうすることで視覚的にもさらに防犯効果につながります。
STEP05
面格子の取付け後になります。
今回は、少し窓が開くように壁との間の隙間を広くしました。
これで、格段に防犯性能がアップしました。